【心得】一級建築士製図試験突破のために

建築士

学科試験が終わってから僅か三か月の準備期間で製図試験を突破するためには並大抵の努力ではダメだということを知っていますか?
今回は細かいテクニックは抜きに短期間で製図試験を突破するための心得や考え方、勉強のやり方についてお話していきたいと思います。
手前味噌ではありますが著者はストレート一発合格しております!

製図試験は難しい?

製図なんて大学でもほとんどやってないよ~。と不安になっている人もかなり多くいらっしゃると思います。ですが大丈夫です!
almost all peopleは手描きでのこのような設計は不慣れです!
とりあえずは、不安な気持ちを取り除いていきましょう!

近年の合格率

年度R5R4R3R2R1(1)R1(2)H30H29H28H27
合格率33.2%33.0%35.9%34.4%36.6%34.2%41.4%37.7%42.4%40.5%
一級建築士設計製図試験の年度別合格率 ※R1は台風による延期のため2度実施

一級建築士設計製図試験の合格率は上記の表のようになってます。
ざっくりと20人いたら7,8人が合格するという感覚でよろしいと思います。
この数字をみてどのように感じますか?人それぞれで感じ方は異なるでしょう。
では、次に致命的欠陥答案(ランク3,4)の割合を見てみましょう。

年度R5R4R3R2R1(1)R1(2)H30H29H28H27
致命傷率64.7%60.9%57.8%60%60.5%60.5%42.4%41.1%30.4%34.3%
一級建築士設計製図試験の年度別合致命傷率 ※R1は台風による延期のため2度実施

近年の採点法であると致命傷で不合格となっているのは20人中12,13人というところでしょうか。
これらのデータを読み解くと致命傷なく描けていれば、ほぼほぼ合格できるということがわかりますよね!
なんや意外といけそう!と思っていただけましたか?

致命傷って?

上記において致命傷がなければほとんど合格できる!といいました。
じゃあ致命傷ってなに?って思いますよね。この章で説明していきたいと思います。

私は設計製図試験において採点結果としてのランク3・4のことを致命傷と呼んでいます。
一般的にはランク4は一発アウト・ランク3は著しく不適です。

ランク3.4となる例
・図面・記述回答の未完成
・要求室の欠落
・主要室の床面積不適合
・法令関係の不適合(延焼ライン・防火設備・防火区画・2方向避難・重複距離・etc)
・課題の建築物に当然必要とされる機能・室の欠落
・構造的欠陥(スパン・PC梁・柱角・etc)
・設備的欠陥(PS・DS・EPS・etc)
・アプローチ計画の不適合
・細部寸法の不適合(通路幅・階段寸法・EV寸法・etc)

上記に挙げたものは致命傷の一例ですが、本試験においてこれが出来ていない人が半数います。
実際、私も試験会場でトイレに行くときや図面回収時に周りの人の図面をチョロ見しましたが
(あまりやってはいけないと思います 笑) 本当に出来てない人が多い印象でしたし、
これを確認したと同時に割合的に自分自身は「受かったな…」と確信しました。

合格図面とは

合格図面とはつまり致命傷を避けた図面のことです!
もちろんそれだけではありませんが、致命傷を避けるだけで合格する確率は9割近くになります!
ですので、まずは以下のことを心がけてください。

・図面、記述回答を完成させる
・法令関係を守る
・建築的整合性をとる
・問題文に書かれていることを満足する

本当にこれだけです。
かなり簡単に思えてきたのではないでしょうか?
覚えていてほしいのは問題文が解答ということです。設計的センスはいりません!
ですので変な色気をだすのは二の次にしてください笑

合格するために

前の章では合格するために必要な条件を確認してきました。
まさにその通りなのですが、試験時間内にそれを遂行するというのはなかなか厳しいものです。
決して難しいのではなく、厳しいのです。(このニュアンス伝われ…!!)

この3か月間は学科試験と比較にならないくらい地獄です。覚悟してください。
一般的には計250-300時間くらいは勉強しなさいと言われます。
もちろん確実性を上げるためには400時間も500時間もやった方が良いです。
やったらやっただけ結果に結びつくのが設計製図試験と断言します。

試験までに描くべき図面量

資格学校などに行くと”少なくとも完成図面を30枚は描け”という風に言われます。
私もこれには賛同で描けば描くほどスピードとテクニックは上がっていきます。

2時間半以内に1枚の図面を描き上げることができれば数字は前後してもよいと思います。
私の場合なかなか2時間半以内に描き上げることができませんでした。
1枚目をトレースした時には10時間かかったほどです(笑)
9月の中旬くらいにやっと2時間半を達成できるようになりました。
(S資格では7月中にできるようになれと無茶を言ってきます)

とにかく練習あるのみと合計45-50枚ほど描きました。それで無事合格できたので、
描くのが苦手な方は参考にしてください!自信に繋がります!

平日・休日の過ごし方

毎日勉強してください。勉強する時間がないときは15分でもいいので毎日なにかしらやってください。
サボり癖というのは1日サボるだけで発症してしまいます。
期間が短い時にサボり癖がつくと非効に痛手となります。
ただメンタルとの戦いになってくるので無理だけは禁物です。

平日はなるべく残業をせずに早めに帰らせてもらってください。(在宅できる方はなるべく在宅を)
家に着いたら休憩・風呂・食事を済ませて、すぐに製図板に向き合ってください。
8月下旬くらいまではとりあえず向き合うくらいでいいです。
(勉強する時間、気を抜く時間を交えながら適宜でよいと思います)
ただ1日の目標をしっかりたててコンスタントにやることを心がけてください!
翌日の仕事にも響きますので睡眠時間はしっかりととることもお忘れなく!

休日は資格学校に通っている方はしっかり学校に通ってください。
ストレスフルではありますが食らいついてください。辛くて脱落する人は結構います。
通信教育・独学の方は一人でも1日10-12時間を目標にしっかりと取り組んでください。

勉強環境ですが、自宅で勉強できる方は強いです。
自宅で勉強できるように努力してみてください。
どこかへ行く時間も勿体ないですし、環境を変えて勉強している気になるのも危険です。

受かる人・受からない人

私が資格学校に通っていた中で、この人は受かりそう・この人は落ちそうというのが
受験前からなんとなく分かっていて、結果もほぼその通りになりました。
数人ピックアップして紹介しますので、自分がどのタイプに当てはまるか確認して自信をつけたり、改善の役に立ててください。私のことはまた別記事で書きます(笑)
登場人物にニックネームをつけながら見ていきたいと思います。
※以下は全て私の主観です

受かった人
・公務員のおとなしい女性
 この方は生真面目な方で、図面を描くスピードは遅かったもののきれいな図面を描いておりました。プラン自体は無難なものが多かったですが、ミスも上手に誤魔化すことができていました。勉強量もしっかりこなし、先生のアドバイスも修正する能力を持っておりました。

・ヤンキー風の男
 この人は、なんだかんだ文句を言いながら頑張って勉強しておりました。タバコを吸っていたので講師と一緒にタバコミュニケーションをとり、様々な質問をしていました。図面の方は見た目とは裏腹にとても綺麗な線を引いておりました。よく一発アウトのミスをしていましたが徐々にミスも改善されてました。プランは突飛なものも多くありましたが、なるほどと思わせる力があったのですごい能力があるなぁと感心しておりました。

・コミュニケーションとりたがる男
 とにかく色んな人やネットから情報収集する人でした。一番講師に絡んでいたのはコイツではないかと思います。また仕事を休業していたらしく、ずっと勉強してたみたいです。図面自体はわりと雑でしたが、しっかりと筋の通ったプランだったように思います。

・姫
 私の班ではないのですが、なんか姫扱いされている人がいました。講師にも取り巻きにもチヤホヤされておりました。エスキスの時間はほぼほぼ姫の図面が取り扱われておりました。図面自体はとても綺麗でまたプランも素晴らしかったです。そら受かります。

・いつも同じポロシャツの男
 姫の取り巻きの一人でしたが、なんでも知っている奴でした。エスキス時はよく姫にアドバイスしておりました。図面は言わずもがな優秀な奴でした。勉強量はすさまじかったと思います。

・誰よりも早く帰る男
 この人は図面も汚く、字も汚いので最後まで講師の人に怒られておりました。それが原因かどうかは分かりませんが、講師にはよく気にかけてもらってる人でした。プランは序盤こそめちゃくちゃでしたが、最後には及第点に届くほどまでなっていました。とにかく学校では授業を受けることだけ徹底しているようにみえました。

受からなかった人
・授業2回目で挫折した女性
 とにかく授業がきつく、帰る時間はいつも遅かったので精神的に参ってしまったようです。できるペースで2年がかりで取るといっていましたので、そのような考え方もありなのかなと思いました。

・初老の男性
 この方は頑張ってはおられましたが、とにかく描くスピードが遅く、一度も図面を完成させることができていなかったです。プラン自体はよく練られていた感じですが、そこに時間をかけすぎていた気がします。よく体力が持たないともおっしゃっておりました。

・姫の取巻き(数人)
 この人たちはとりあえず姫の図面を褒めることを生きがいにしていたように感じました。あまり講師からもアドバイスを受けていなかった印象です。自分の図面に対してもっとエスキス評価を受け入れておけば結果は変わっていたのかもしれません。

・はちまきリストバンドの熱血系男
 この人はあまりアドバイスを聞かずにgoing my wayを突っ走ってよく講師に怒られておりました。あと図面も主要な部分を終えずに、あまり重要でない部分などに時間をかけておりました。努力の方向性を間違ってしまった人だったかなと思います。

こうみてみると当たり前ですが、講師とよくコミュニケーションを取ったりエスキスしてもらって修正できる人が受かっている印象です。ケアレスミスも何回も注意されれば自然と注意して治せるようになるので練習ではとりあえず図面を完成に近づけてミスをたくさん発覚することが大事なように思います。あとはしっかりメンタルを保つことが重要です。

さいごに

設計製図試験は特別に地力が試されるものではなく、やることをやれば合格できるということが分かっていただけたでしょうか?
学科試験を通過した方なら努力する能力は備わっているはずです。

覚えることもそんなに多くはないので、とりあえず練習あるのみです!

たった3か月です。
仕事と両立しながらはしんどいですが、必死に頑張る甲斐はあると思います。
コンスタントに目標をたてながら毎日勉強をこなしていってください!

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